この度2023年12月、日本冠疾患学会の理事長を拝命いたしました国立病院機構大阪医療センター循環器内科の上田 恭敬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私はこれまで前理事長の京都府立医科大学心臓血管外科学 夜久 均先生のご指導のもと、副理事長として学会運営に携わってきました。
日本冠疾患学会は虚血性心疾患の予防・診断・治療をテーマに学術的に活動する団体ですが、内科系と外科系の会員がほぼ半数ずつで構成されていることが非常にユニークな学会であります。循環器医療の在り方として、自分の目の前に来た患者さんを自分の持っている武器でとりあえず治そうという事ではなく、その患者さんの人生の時間軸の中で、どの治療をどのタイミングで入れていくのかを多職種で考える必要があり、それぞれの施設の中でのそのような取り組みを当学会がサポートできるようになればと思っています。具体的にはハートチームでの取り組みということになると思いますが、今年度、当学会から内保連を通して「ハートチーム加算」の創設を要望として挙げさせていただきました。今後も本学会が関わる領域において、診療報酬体系の改善を要望していきたいと考えています。
学会の存在意義を考える時、以下のいくつかの重要なことがあると思います。まず、学術集会においては、学会員が普段持っている疑問に十分応えることができるように、単に聴講するだけでなくとことん議論して疑問を解決できる機会を提供し、毎年是非参加したいと思える学術集会を開催すること。また、上述のように、我々学会員が共有する価値観を診療報酬体系に反映させるために活動することや、各種診療行為に対する学会としての意見をステートメントの形で表明すること。さらに、患者さんや一般市民にも当学会の活動に共感してもらうために、市民公開講座や各種啓発活動を実施して医学的知識のみならず当学会の考えを広く知っていただくことが重要と考えます。
私の外科系パートナーである副理事長の熊本大学附属病院心臓血管外科 福井 寿啓先生と協力し、これら目標の達成を目指すことによって、当学会が循環器医療の発展に貢献出来るよう努力していきたいと考えていますので、皆さまのご協力・ご支援を賜りますようお願いいたします。
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