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日本冠疾患学会雑誌 Journal of The Japsanese Coronary Association


年4回発行される学会雑誌の目次が掲載されています。Vol.11以降はPDFで全文をご覧いただけます。

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Vol.2 (1996) Vol.1 (1995)

Vol. 11, 2005 /
●原著
治療状況把握におけるMIBI心筋シンチの有用性について:
冠攣縮性狭心症例での検討
末田 章三,井添 洋輔,河野 浩明,福田  浩
済生会西条病院循環器科

Sesta-MIBI(methoxy-isobutyl-isonitrile)はミトコンドリア内に滞留しミトコンドリアの膜電位変化で放出され,洗い出し率(WOR)亢進は心筋障害を意味する.冠攣縮性狭心症(VSA)の治療状況におけるMIBI のWOR の有用性を検討した.対象は,薬剤誘発負荷試験にて冠攣縮を確認した器質的冠動脈狭窄を認めないVSA 18 例(男性:16 例,平均年齢:66 ± 8 歳)である.多枝冠攣縮が14 例で,冠攣縮誘発陽性枝は右冠動脈が16 枝,回旋枝が4 枝,左前下行枝が16 枝であった.心臓カテーテル検査近接期の治療開始前と長時間作用型カルシウム拮抗薬を主体とした治療4 カ月後での安静時無投薬下のMIBI 心筋シンチを早期像と後期像(4 時間半)で撮影した.治療状況から,胸部症状消失・改善群(11 例,66 ± 9 歳,多枝冠攣縮:7 例)と不変・悪化群( 7 例,65± 7 歳,全例多枝冠攣縮) の2 群に分類し対比検討した.全体のWOR は治療前が19.0±9.1%, 治療4 カ月後は20.7 ± 12.2%であった. 治療後胸部症状消失・改善群はWOR が 20.9 ± 10.5% から17.1 ±11.0% に低下し,11 例中 9 例でWOR の低下を認めた.治療開始後も胸部症状不変または悪化群では,WORが15.8 ± 5.5%から26.3 ± 12.7%へと増加し,全例でWOR の上昇を認めた.心機能解析でも,症状消失・改善群では,左室拡張末期・収縮末期容積の減少を認め,左室駆出率の増加を認めたが,一方,症状不変・悪化群では左室拡張・収縮末期容積・左室1 回拍出容積の増加傾向を認め,その結果左室駆出率の低下を認めた.VSA の治療状況把握・心機能解析にMIBI は有用なモダリティーのひとつになり得るものと思われた.
全文PDF

Keyword: FMIBI, control state, vasospastic angina
 
Sueda S, Izoe Y, Kohno H, and Fukuda H: Usefulness of MIBI cardiac scintigraphy on the treatment course in patients with coronary spastic angina
J Jpn Coron Assoc 2005; 11: 111-115
2005年5月9日受付,2005年7月4日受理

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