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日本冠疾患学会雑誌 Journal of The Japsanese Coronary Association


年4回発行される学会雑誌の目次が掲載されています。Vol.11以降はPDFで全文をご覧いただけます。

Vol.18 (2012)〜 Vol.17 (2011) Vol.16 (2010) Vol.15 (2009)
Vol.14 (2008) Vol.13 (2007) Vol.12 (2006) Vol.11 (2005)
Vol.10 (2004) Vol.9 (2003) Vol.8 (2002) Vol.7 (2001)
Vol.6 (2000) Vol.5 (1999) Vol.4 (1998) Vol.3 (1997)
Vol.2 (1996) Vol.1 (1995)

Vol. 14, 2008 /
●原著
冠動脈側枝が責任病変である急性心筋梗塞の予後は良好か?
猪野  靖1,友渕 佳明1,赤阪 隆史1,岡村 吉隆2
1 和歌山県立医科大学循環器内科
2 同 第一外科

【背景】急性心筋梗塞(AMI)の予後規定因子として,年齢,Killip分類,左室機能,梗塞サイズ,再灌流療法の有無などが挙げられる.側枝を責任病変とするAMIは,梗塞サイズが小さく心不全の合併も少ないが,その予後は明らかではない.【目的】側枝を責任病変とするAMIの臨床的特徴と予後について検討すること.【対象】2001 年 1 月から2004 年 8 月まで発症 7 日以内に入院したAMI410 症例について,責任病変が側枝または遠位部(セグメント 4,8,9,10,12,14,15)であった70 例(B群)と本幹部(セグメント 1,2,3,6,7,11,13)であった340 例(M群)との 2 群に分けて,臨床的特徴と 1 カ月以内の心事故を比較した.【結果】CK最高値はB群が1873±1316 IU/L,M群が3385±2635 IU/Lであった(P<0.001).緊急冠動脈インターベンション(primary PCI)施行率はB群で56%,M群で73%であった(P<0.01).1 カ月以内の心事故(死亡,再梗塞,心破裂)はB群で18.6%,M群で10.0%とB群で有意に多かった(P=0.04).また発症後24 時間以上の入院遅延はB群で27%,M群で12%(P=0.002),初診時の診断未確定はB群で19%,M群で5%(P=0.0001)であった.【結論】側枝を責任病変とするAMIは,梗塞サイズが小さいにもかかわらず心破裂を中心とした心事故が多かった.小梗塞であるが故に症状や異常所見に乏しく受診が遅れることや初診時の確定診断がつかないことで入院が遅れ,再灌流療法を含めた急性期管理の機会を逸することが一因と考えられた.
全文PDF

Keyword: acute myocardial infarction, branch segment, cardiac event
 
Ino Y, Tomobuchi Y, Akasaka T, and Okamura Y: Is prognosis of patient with acute myocardial infarction whose culprit lesion is branch good or poor?
J Jpn Coron Assoc 2008; 14: 100-104
2007年1月13日受付,2007年6月18日受理

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