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日本冠疾患学会雑誌 Journal of The Japsanese Coronary Association


年4回発行される学会雑誌の目次が掲載されています。Vol.11以降はPDFで全文をご覧いただけます。

Vol.18 (2012)〜 Vol.17 (2011) Vol.16 (2010) Vol.15 (2009)
Vol.14 (2008) Vol.13 (2007) Vol.12 (2006) Vol.11 (2005)
Vol.10 (2004) Vol.9 (2003) Vol.8 (2002) Vol.7 (2001)
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Vol.2 (1996) Vol.1 (1995)

Vol. 16, 2010 /
●原著
冠動脈バイパス術におけるVirtuoSaph®を用いた
endoscopic saphenous vein harvestingの初期経験
藤井 公輔,佐賀 俊彦
近畿大学医学部心臓血管外科

Endoscopic saphenous vein harvesting(ESVH)は冠動脈バイパス術(CABG)の低侵襲化,下腿の創部合併症が無視できないことや美容的な問題などから,注目されている採取法である.本邦では,VirtuoSaph®は試験的に施設を限定し使用を開始したため報告が少ない.ESVHの皮膚切開長は,従来法と比較し短縮しているので創の合併症も皮膚切開長の短縮に比例し少ない採取法である.われわれは,2006年1月より大伏在静脈採取の際にできる創部合併症の軽減を目的とし,試験的に50例のCABG症例に対しVirtuoSaph®を使用したESVHを施行した.当院で行っている非ESVHでの採取法(skip incisionによる直視下での静脈採取法)と比較して明らかに皮膚切開長は短縮していた.また皮下出血や軽微な下肢創部の合併症をきたした症例は認めたが,入院期間を延長するような重篤な合併症には至らなかった.大腿からの大伏在静脈採取で手技に習熟した後,20例に対し下腿からの静脈採取を試みた.トロッカーとグラフト結紮部のみの皮膚小切開でESVHを完遂できた症例は74%(50例中37例)と完遂率は低かった.しかし,従来法への変更が患者に新たな危険を与えずに可能であること,限定的ではあるが下腿からの採取が可能であること,既存のオリンパス製の内視鏡システムがそのまま流用できる点などVirtuoSaph®でのESVHはCABGの低侵襲化において有効な静脈採取法である.デバイスの改良の余地も残されているが,導入も容易で現段階で適応および採取部位を適切に選択すれば大伏在静脈採取の創部合併症軽減につながる静脈採取法である.
全文PDF

Keyword: CABG, SVG, endoscopic procedure
 
Fujii K and Saga T: Initial experience of endoscopic vein harvesting using VirtuoSaph
J Jpn Coron Assoc 2010; 16: 30-34
2009年2月16日受付,2009年11月3日受理

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