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日本冠疾患学会雑誌 Journal of The Japsanese Coronary Association


年4回発行される学会雑誌の目次が掲載されています。Vol.11以降はPDFで全文をご覧いただけます。

Vol.18 (2012)〜 Vol.17 (2011) Vol.16 (2010) Vol.15 (2009)
Vol.14 (2008) Vol.13 (2007) Vol.12 (2006) Vol.11 (2005)
Vol.10 (2004) Vol.9 (2003) Vol.8 (2002) Vol.7 (2001)
Vol.6 (2000) Vol.5 (1999) Vol.4 (1998) Vol.3 (1997)
Vol.2 (1996) Vol.1 (1995)

Vol. 17, 2011 /
●原著
低左心機能症例における冠動脈バイパス術,術直後および中期遠隔期成績,
予後因子の検討
山崎 元成1, 2,廣瀬 仁3,稲葉 博隆1,梶本 完4,丹原 圭一5
菊地 慶太6,桑木 賢次1,山本 平1,渡邉 隆7,岩村 弘志8,天野 篤1
1 順天堂大学心臓血管外科
2 東京病院
3 Division of Cardiothoracic Surgery, Thomas Jefferson University, Philadelphia, USA
4 順天堂大学附属浦安病院
5 順天堂大学附属静岡病院
6 大和成和病院
7 前田記念腎研究所茂原クリニック
8 小張総合病院

高度左心機能低下症例に対する冠動脈バイパスの効果や長期予後はいまだ不明のところが多い.HAVOC scoreは,低左心機能を有する冠疾患の予後予測因子として報告された.今回,われわれはHAVOC scoreをもとに,当院で施行された冠動脈バイパス手術892例のうち,術前左心室駆出率40%未満の低左心機能症例135例をHAVOC scoreにて3.5未満のlow risk群(L群)66例と3.5以上のhigh risk群(H群)69例に分類して,手術成績,遠隔成績などを比較検討した.単独冠動脈バイパス手術では心拍動下冠動脈バイパス術はL群45例中42例(93%),H群45例中43例(96%)に施行された.またバイパス本数はL群,H群でそれぞれ3.8±1.5,3.5±1.4(本)であった.院内死亡はL群5例(8%),H群3例(4%),術後挿管時間(時間)19.3±6.4,32.5±6.4(p=0.07),集中治療室滞在日数2.8±2.9,4.8±6.5(p=0.03).後在院日数11.0±5.0,17.9±22.3(p=0.02)とH群で有意に遷延する傾向が認められた.左室心機能(左室駆出率)は術前に比し,冠動脈バイパス術後に両群で有意に改善した.術後5年生存率はL群78%,H群71%で,有意差はなかった.危険率予測因子として,EuroSCOREでlow risk(0−3)34例,middle risk(4−7)62例,high risk(8−)36例に分けて,手術成績を比較すると,low riskは手術死亡0例(0%),middle riskは手術死亡2例(3.2%),high riskは手術死亡6例(16.7%)でhigh risk群で有意に成績が不良であった.中期予後(観察期間10年未満)の悪化因子は血液透析,HAVOC score,EuroSCORE,術前脳性ナトリウム利尿ペプチドの4因子で,術前EF,合併手術,年齢,性別,左主幹部病変は予後悪化因子ではなかった.低左心機能症例に対する冠動脈バイパス手術は,心拍動下にて行うことが可能であり,心機能の改善が認められ,満足する結果が得られた.手術の危険率予測ファクターとしてはEuroSCOREが,中期遠隔予後因子としてはHAVOC scoreが有用であった.
全文PDF

Keyword: heart failure, brain natriuretic peptide, coronary artery bypass, ejection fraction, left ventricular dysfunction
 
Yamasaki M, Hirose H, Inaba H, Kajimoto , K, Tambara K, Kikuchi K, Kuwaki K, Yamamoto T, Watanabe T, Iwamura H, and Amano A: Coronary artery bypass grafting for moderately or severely impaired left ventricular function.
J Jpn Coron Assoc 2011; 17: 8-15
2009年10月9日受付,2010年11月18日受理

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